がんばり山
がんばり山
「がんばり山」は遊びの宝庫 |
園庭から延びる長い坂道を昇ると、そこはもう山の上です。 |
子どもたちが思い切り遊べるように広い丘陵が整備された、 |
自然公園のような景観がまず目に飛び込みます。 |
自分達で 「がんばり山」 と名づけたこの山で、 |
子どもたちは全身と五感をフルに使って遊びます。 |
斜面に座り込んでいる男の子の手の中をのぞくと、虫がいます。 |
「バッタ、捕まえたの?」と聞くと、たくさんの言葉が返ってきました。 |
「これ、バッタじゃないよ、イナゴだよ、おいしいの。うちにもいっぱいある。 |
バッタはね、色が違うんだよ、ほらここが茶色や黒でしょ。あとスイッチョンも |
2種類あるけど、色はおんなじ緑なの。形が違うんだよ・・・・・。」 |
本からの知識ではない「虫博士」の話を聞いていると、つぎつぎに男の子たち |
が集まってきました。見ると、どの手にも虫が捕まえられています。 |
「ぼくはカマキリだよ、こんなに大きいの」 |
「ぼくも!でも茶色だからね、もう弱いんだけど」 |
それぞれの虫かごの中には、おそらく何日もかけて捕まえたたくさんの虫と葉 |
っぱがぎっしり。みんな得意そうに見せてくれます。女の子たちも大きなススキを |
力ずくで引き抜いたり、ドングリでポケットをぱんぱんにしたり、忙しそうです。 |
世界に一つの間伐材の遊具 |
広い原っぱに点々と置かれているのは、一風変わった木の大型遊具です。 |
これらは武蔵野美術大学の学生たちが、 |
いわき市の杉の間伐材を600本使って作ったものです。 |
「ぴあにか」 「とんがりまるた」 「空を見るための装置」 など、 |
斬新なデザインと、あそびかたが限定されない自由さが、 |
子どもたちにもとても人気です。 |
がんばりろーぷうぇい |
とんがりまるた |
半日山で遊んで、すっかり満足した表情の子どもたちが、 |
きょうの戦果を手に持って意気揚々と山から降りてきます。 |
おべんとうを前に、手を洗いに行く子、牛乳を運びに行く子、 |
山からとってきたものでさっそく飾りを作る子と、 |
それぞれが自分のやることを自分で決めて動いているようです。 |
自然の中で思う存分遊んでいると、子どもはこんなに自信に満ちた |
いい顔をするのだなと、あらためて感じる風景です。 |